河野研究室

システムソフトウェアの未来を切り拓く

説明会日程

見学

授業,ゼミ,昼食の時間以外なら大体誰かいると思うのでお気軽にお訪ねください.最終的な希望がどの研究室になるにせよ,きっと良い判断材料になるかと思います.河野研究室の場所は下の地図を参考にしてください.

campus map

連絡先

質問などある方は b3_contact@sslab.ics.keio.ac.jp までご連絡ください.

研究内容

河野研はシステムソフトウェアの研究室です.システムソフトウェアというのは,アプリケーションを支える屋台骨となるソフトウェアの総称です.下の絵のように,オペレーティングシステムを含めた広い範囲のソフトウェアのことをいいます.

何か画期的なアプリが出てくるとシステムソフトウェアの作り直しになることが普通です.最近だと,機械学習ですね.考えられないほどの量のデータを扱うので,システムソフトウェアを作り直してあげた方がずっと効率が上がります.

software layers

よくできたシステムソフトウェアであればあるほど,いつ,どこで何をしているのかわかりません.縁の下の力持ちなのでしゃしゃり出てくることはないのです.でも,みなさんが当たり前に使っている Google, ChatGPT, Netflix など,どれも最先端のシステムソフトウェア研究の上に成り立っています.

河野研の研究トピックを簡単に紹介しておきます.最先端の研究なので,とても 3 年生にわかるように説明できるものではありませんが,雰囲気だけでも感じてもらえればと思います.(3 年生がわかっちゃう研究って,深みがないような気が・・・)

topics and accomplishments

1. Virtualization

クラウドやエッジなどにはなくてはならない基盤技術です. ハイパーバイザというソフトウェアがオペレーティングシステムを騙し,1台のコンピュータ上で複数のオペレーティングシステムが*同時に動作*できるようになります. これがないとクラウドもエッジも使い物になりません.たとえば,何万台ものコンピュータをつないだクラウドでは,いつもどこかで故障が起きています.不思議なことに,仮想化の力で故障を隠蔽することができます.

virtualization

河野研の得意分野で世界的にも注目されています.実際に Linux に取り入れられた成果もあります.GPU の仮想化に世界で初めて成功したりしています.GPU の仮想化は最近の機械学習に不可欠で,その論文は頻繁に引用されています.

最近では IoT やサイバーフィジカルシステムの基盤としても使える新たな仮想化基盤の模索をしています.IoT などに利用しようとすると,ハイパーバイザの基本的な作り方を変えなければならず,そのための新しいアイデアを提案しています.スマート NIC や CXL メモリといった最先端の技術を仮想化に取り込もうと四苦八苦しています.

2. Trusted Execution Environment (TEE)

データ駆動型社会という言葉を聞いたことがあるでしょうか? さまざまな個人情報を収集して,個々人に特化したサービスを提供しようという試みです.その個人情報をあらゆる不正攻撃から守るための技術が TEE です.アイデアは簡単で,個人情報を*暗号化したまま*処理します.暗号化されたままなので,情報が漏れるということがありません.

Trusted Execution Environment

TEE は自動車などに組み込まれた制御プログラムを第三国から守るためにも使えます.「我が国における経済安全保障に欠かせない」ということで,巨額の研究費を出すから「ドリームチームを作って頑張れ」とお国から言われて頑張っています.東大や早稲田を従えてチーフ・アーキテクトとして苦労してます・・・

3. Security & Formal Verification

システムソフトウェアのセキュリティ・ホールは致命的です.多くの場合,管理者権限が奪われハッカーのやりたい放題です.そこで,システムソフトウェアからセキュリティ・ホールをなくしてしまえ,という研究を進めています.ソースコードを解析してセキュリティ・ホールを自動的に見つけてくるというアプローチです.

実際に Linux や Amazon AWS などのセキュリティ・ホールを発見して,修正してもらっています.河野研のおかげでほんの少し世の中がセキュアになっています.

LLVM

最近ではプログラミング言語理論の専門家と連携して,「数学的に正しさが証明」されたシステムソフトウェアを作ろうとしています.形式検証 (formal verification) という数学的なアプローチを使います.数学が得意な人,手伝って!!

Formal Verification

河野先生より

prof. kono kenji

システムソフトウェアに興味はあるけれど,難しそうだし,自分にはとても無理じゃないか,というような相談を受けることがよくあります.まだ 3 年生ですので,「好きかどうか」という基準で考えてもらえればと思います.研究室に入ってから,先輩たちのアドバイスを受けて飛躍的に伸びていく学生さんを何人も見てきています.

なんかシステムソフトウェアって面白そう!と思ったら,是非,河野研で一緒にやりましょう.

メンバー

本コンテンツは担当者の独断と偏見に基づき誇張も織り交ぜながら作成されたものです.

教授

秘書 (1)

博士課程

修士課程

学士課程

FAQs

河野研にはどんな人が向いてるの?

河野研究室では次のような方を募集しています.いずれかに当てはまる方は河野研で楽しく研究ができるでしょう.

研究環境について

競争的研究資金の獲得,企業との産学連携などを通じて,多額の研究費を獲得しています.そのため,他に類をみない充実した研究設備を保持しています.

一人一人に机とノート PC が与えられます.多くの場合,さらに別の実験用 PC を使って研究を行います.それだけではなく,高性能サーバ,ネットワーク装置など高価な機材を自由に使える環境が整っています.こんな機材を独占して使えるチャンスはあまりありません.存分に楽しみましょう.

また,長く使えるものを買うという観点から,液晶ディスプレイやキーボードなどのインターフェースにはきちんとお金をかけています.

生活時間について

河野研ではコアタイムなどは設けておらず,ゼミと個別ミーティングの時間以外は基本的に自由です.とはいえ「朝に作業するほうが効率が良い」という観点から早起きを推奨しています.

ゼミについて

いわゆる輪講です.各学生が読んだ論文について持ち回りで発表します.現在,月曜午前と金曜午後の週二回行っています.

4 年生については,4~6 月は英語の教科書を読んでその内容を発表してもらいます.ここでプレゼンテーションの基礎を学びます. 6~7 月にかけて,輪講発表に向けての練習を行います.後期は卒業研究の進捗状況を発表し,年が明けると卒研発表に向けて発表練習をします.

研究体制について

河野先生と研究テーマをしっかり話し合った上で進めていきます.また先輩方の手厚いサポートもあるので,大学に来て作業さえしていれば,卒業に困ることはありません.

河野研は仲がいいの?

河野研では先輩後輩の関係も良く,フラットな体制をとっています.部屋が1つで隔たりもないため,学年やグループに関わらずメンバー間の仲はいいです.

研究以外には何かやってるの?

河野研では研究以外にも色々な活動が行われています.河野研全体として行うものだけでなく,有志が集まって遊ぶなど形態も様々です.ゆる〜いイベントなので気張る必要は全くありません.

院進について

今年の B4 については全員が院進する予定です.